糖質制限で耐糖性が悪化する!

八羅文明

癌細胞は糖分のみで増殖します。それで、徹底的に食事の糖質制限をやれば、癌に打ち勝てると思ったりします。あるいは糖尿病になるのは過剰な糖質の摂取が問題なので、糖質を徹底的に排除すれば糖尿病に打ち勝てるなどと大きな誤解を生みます。
生物学者のラマルクが言ったように《よく使う器官は発達し、使わない器官は衰えて消滅していく》のです。
すい臓も例外ではありません。
ほとんど糖分の摂取をゼロにしてしまって膵臓を使わないようにしてしまえば、膵臓の機能が衰えてしまいます。
すい臓は適度に使う必要があります。
現代では小麦や砂糖などのものすごく吸収の早い食材が溢れているために、これらを摂ると膵臓に猛烈な負担がかかります。100メータの全力疾走のようなものです。400メータ全力で走ればどれほど苦しいかは経験者であれば納得できます。ところが適度にスピードを落とせば5キロ、10キロを走ることができます。同じように伝統的な和食などのように白米に味噌汁や煮魚・あるいは肉の煮物などと言ったものを同時に取れば、血糖値がゆっくりと上昇します。膵臓は適度に働いてくれます。満腹中枢も適切に働きます。食べ過ぎには自然のブレーキがかかります。
これを、糖質ゼロの生活を続けると膵臓や脳下垂体にある満腹中枢は機能しなくなるために衰えます。かえって暴飲暴食を生み出す下地にさえなります。

適切な糖質制限とは《小麦・砂糖といった吸収の早すぎる食材を断つこと》です。

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